心霊戦隊ハラウンジャー

エンディングの若女将が穏やかな笑顔でパトカーに乗せられているところを、主人公の刑事と連れの女が見送るという場面を見終わると、敏江がテレビを消した。

「なんか、微妙だったわね」

「あぁ、でも、あの崖の上でのカミングアウトシーンは何度見ても何か滾って来るものがあるよなぁー」

「俺は、自分で推理する方が好きだ」

「でも、あれって大体、番組表の出演者の欄の三番目か四番目に名前乗ってる俳優が犯人なんでしょ?」

正義の味方って何なのだろう。
二時間ドラマの話で盛り上がる四人を見て、迅は思った。

「あのさ、なんか、もっとこう……敵に関する情報とかないわけ?対応策考えるとかさ……俺、今日初めてハラウンジャーになったんだから、もっと詳しく教えてくれよ」

迅の言葉に、顔を見合わせる四人。
そして、なんだか面倒臭そうな顔をして、迅の方を向いた。
迅は少しイラッとしたが、ここは抑えるのだと自分に言い聞かせた。

「俺たちの敵は、さっきも言ったように悪霊や悪魔だ。現在は組織化していない……と思う」

権之助は眉を歪めながら言う。

「何その微妙に自信ないみたいな言い方」

「最初は、悪霊たちもあまり強大な力じゃなかったんだけど、最近は結構な力を付けて来て、もしかしたら裏で牛耳っている者がいるんじゃないかって言われてる」





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