心霊戦隊ハラウンジャー
もう何枚目になるのかわからない煎餅を頬張りながら、敏江が言う。
彼女の言葉に、急に険しい顔になる三人。
そんな彼らの様子を見て、迅も緊張した。
「まあ、あたしたちにも仲間が増えたし、平気よ!」
広姿は迅にウインクを飛ばしてそう言った。
迅は、湧き上がる吐き気を必死に堪え、苦笑を浮かべた。
「あぁ、迅はなかなか見込みあるしな」
クリフォードも迅を見て笑う。
この中でも、クリフォードが一番マシな人物ではないのかと、迅は思った。
敏江もお茶を啜りながら「うんうん」と頷く。
迅はなんだか照れ臭くなり、顔を赤くした。
しかし、そんな和やかな雰囲気の中、一人変わらず険しい顔をしている権之助。
「水沢さん?どうしたの?あー……お煎餅はこのごま塩のやつしかないんだよね。海苔の方が美味しいよね」
「そうじゃねぇよブタ」
権之助は相変わらず眉間に皺を寄せたまま、溜息を吐いた。
「俺は、まだお前を認めたわけじゃないからな」
「えっ……」
「ちょっと、権ちゃん!」
険しい顔をした権之助の口から出たその言葉に、迅は固まる。
その場の全員の視線が権之助に注がれた。
「……でもさ、初めてにしちゃ、よく戦ったんじゃないか?」
やれやれと言った風に、クリフォードが迅をフォローする。
流石、年長者とでも言うのだろうか。
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