心霊戦隊ハラウンジャー
「どこがだ。いつまでも決めポーズしてたし、敵の攻撃にはあろうことか目を閉じてしゃがみ込む始末……」
権之助の言葉が、迅の胸に弓矢の如く次々と突き刺さる。
ふざけた調子で馬鹿にされることは、学校で散々やられて来たので慣れていた。
しかし、このように真面目にダメ出しされることは慣れていないため、迅はちょっとのことでも泣きそうになっていた。
メンタルが強いように見えて、慣れないことにはとことん弱い男である。
「でも、あの時は敏江ちゃんがフォローしてくれたし……そんなに怒らなくても良いじゃない」
「別に怒っているわけじゃない。こいつばかりに防御を任せるわけにはいかないだろ。自分の身はある程度自分で守れるようにして貰わないとな」
突然、自分の話題になった敏江が少しキョドって膝の上にお茶を零した。
熱そうに顔を歪め、布巾を取りに台所に向かう。
「これから、敵はどんどん強くなる……あんな調子じゃ困るんだよ」
権之助は迅を睨み付けた。
迅は権之助の顔を見ることが出来なかった。
下を向き、唇を噛みしめる。
冷や汗が背中をじっとりと流れた。
「……あの」
「何だ?」
張り詰めた空気を破ったのは。布巾を洗って戻って来た敏江だった。
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