心霊戦隊ハラウンジャー

「ちょっと、権ちゃん?いくら何でもあの言い方はないわよ!迅たんが可哀想じゃない」

「うん、お前の気持ちもわからなくはないけど、迅、怯えてたぞ」

「……うるさい」

龍刻高校の辺りをパトロールする三人。
権之助はどんどんと二人の先を進む。

「何かあったの?大体、あたしが入隊した時はあんなこと言わなかったじゃない。まあ、『よろしくカマ野郎』って言われた時は、釣り鐘の撞木(しゅもく)ケツの穴に突っ込んでやろうかと思ったけどさぁ……」

撞木とは、鐘などを打ち鳴らす道具のことである。

「俺の時もそんなこと言われなかったぞ」

広姿もクリフォードも不思議そうに権之助の顔を覗き込む。

「俺は只、あんな素人にハラウンジャーが務まるのかと思っただけだ」

「……確かに、迅は俺たちとはちょっと違うよな」

「でも、上が迅たんを選んだんでしょ?だったら、大丈夫なんじゃない?」

そう、権之助は心配なのである。
何の経験もない、只の霊感が強い高校生が、本当にハラウンジャーとしてやっていけるのかどうかが。





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