心霊戦隊ハラウンジャー
「水沢って、いつもあんな感じなの?」
公園周りをパトロール中、迅は敏江に聞いた。
「いや、一応、私が水沢さんと一番長いけど、あんなこと言ったのは初めて」
「そうなんだ……」
それを聞いて、迅は益々落ち込んだ。
やはり、自分は権之助の言う通り、ハラウンジャーに向いていないのではないだろうか。
他のメンバーに比べ、自分は全くの素人。
迅の脳内を様々な思考が交差する。
……入隊早々、ライバル的メンバーとぶつかり、苦悩するという定番の設定に少しワクワクしている自分を必死に抑えている部分もある。
そんな迅の様子を見て、敏江が口を開いた。
「水沢さんは、最初にハラウンジャーに選ばれた人なんだよ」
「最初……」
「元々、ハラウンジャーは陰陽寮に属する国家組織だから、当然と言えば当然なんだけど。水沢さんは半年間、一人で戦ってた」
「半年も一人で?」
「うん、それから私が入隊して、また半年後に田中さんが、その三ヶ月後にヒロリンちゃん、そして、その三ヶ月後に緋龍君が入隊したの」
「川村さんてまだ入隊して三ヶ月なの!?」
「うん」
迅がこの話を聞いて、何よりも驚いたのは、広姿の経歴の短さだった。
あの貫禄は、かなりの経験を積んでいるものだと思っていたので、衝撃的だったのだろう。
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