《続》オフィスの華~若社長と秘書のHoneyな生活~
鍵を開けて部屋に入る。


「夕食は冷蔵庫のあり合わせで作るね…」


「ん、ああ~」


美苑はコートを脱いでソファーの背凭れに掛ける。
…座って休憩もせずにキッチンに向かった。



CM撮影は早朝だったから…
俺は少し疲れ気味でそれに眠い。

でも美苑は疲れを全く見せず、テキパキと動く。


そんな姿を俺はソファーに座って見ていた。



テレビを付けるのも忘れて…キッチンに立つ美苑の背中を眺める。



何だか…ほんわかした幸福感に心が満たされてゆく。


そして俺の脳裏の片隅に置かれためったに開かない記憶の箱が開いた。





母の想い出がーー・・・







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