ピンクの星と緑の太陽
その頃…。泉では。






「そこのドラゴン…。早く帰りなさいよ!」






「えぇ…。僕ここ気に入ったのに。」






あぁ…。私の場所(癒し)がはぐれドラゴンに占拠されるなんて。






「まだ力もどらないの?」





「うーん、まぁそんなとこだよ。」





「だいたいアナタ…。」




急に顔つきが変わる。






「ステラ?」





口笛を鳴らすと駆け抜けながら
「貴方はここにいなさい!」





蹄の音が去り風のように走り抜けて行った。





「クス…。飽きないな。帰れの次は動くな…。」





本に目を戻す。






ここにいるのも悪くない。






ステラはオリビーナの森をあっという間に抜け、その奥の森に入る。






「魔物か…。」






弓を構えた。





槍がいたるところに刺され血が流れていた。





立ち上がるが直ぐに倒れてしまう。
ステラは弓を下ろし、愛馬に戻るように声をかけた。





何本か槍を取ると魔物が痙攣する。





「にん、げん…。」






「しゃべれるのか?」






「人間のことば…。など…。」





「これは傷に聞く薬。アナタに効けばいいけど…。」





「我に構うな…。」






「紫の瞳…。」






口と思われる所に薬を流す。槍を引き抜き薬をかけていた…。





がさがさ…。






「そこな娘…。何をしている?」





「…。」






「構わん!」






一斉に襲いかかる。





ステラは矢を素早く放つ。





数匹の魔物が倒れていた。
人型の魔物は槍を構える。





数も多くきりがない。魔物同士の抗争はよくある。





次第にジリジリと追い詰められる。





「人間…。我に構うな…。」





「出来ない!」
叫びながら矢を放つ。そろそろ矢が終わる。





剣を抜こうとした時、紫の瞳が見えた。





「動いたらダメ!傷が開いてしまう!」





黒くて大きな魔物。






「最後の手段か…。」






紫の瞳が言う。






「娘…。秘術を使う。我にその命預けられるか?」





笑いながら聞く魔物。






「それで助かるの?」
真っ直ぐルビーの瞳が。




「信じる。」






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