ピンクの星と緑の太陽
本当に寝ている?






剣を抜きながら近づく。
規則的な寝息が聞こえ胸が動いている。





長い睫毛が綺麗だった。




不意討ちは主義に反する。これでは伝説と伝統に傷がつくし、ましてや帰って何を言われるかわかったものじゃない。





もし負けたとしても妹達が引き継ぐはず。





とにかく待つしかない。





暇つぶしに弓の訓練でもするしかないか…。






*グリーsaid*






竜族てやつはお硬いやつが多すぎて嫌になる。
僕は竜族だけど硬くはない。
縛られるのは嫌いだ。
第三王家だから軽く思ってたし、竜族を背負ってうんぬんはうんざりだった。





だから家出したのさ。





僕は風と自由…。次いでに本があれば何もいらない。
筋肉馬鹿の兄や他多数は縛られすぎて…。
僕には無理だった。





魔力を最大に使って気配を消している。





ずっと飛び続けて疲れて虹の滝の下でまどろんでいたら…。





裸の女神が落ちてきた。




白くて虹に溶けるその姿が綺麗だった。





竜族は目が良すぎる。






見たくて見たんじゃない!下心は…。正直あった。





最初は本当に女神だと思ったけど、上がって来るのは人だった。





綺麗なルビーの瞳は明るく…。かつ鋭かった。






どうする?人だ。
逃げ出して…。叫ぶかな?





予想に反して弓をむけられた。





あっ…。やっぱり敵と…。別に食べないんだけどな。
この姿だし無理ないか。




冷静だった…。ただ滴る水が別の動揺に変わる。




とにかくこの場を…。





努力は伝わらない。矢は放たれた。





森に消えよう。






ただ人目見て去るはずだった…。
森に隠した荷物からマントを…。





再び弓の絞る音。




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