ピンクの星と緑の太陽
その姿が綺麗だった。






仕方ないから出ていく。安心してと。





予想に反して彼女は叫ぶ。





彼女はステラ姫…。竜族の敵。





僕にはもうどうでもよかった。





殺されてもいい…。





もう自由になった。これからなんて考えてなかった。





とにかく疲れた、眠い。





夕暮れ…。





彼女は律義に待っていた。




木の実に矢を構える…。その横顔が…。綺麗だった。






*******





夕暮れの滝は格別に素敵。オレンジ色の乱反射が美しい。





ここは穢れなき静かな場所。





キリキリキリ…。





パァン!





オリビーナの実が落ちる。




愛馬が鳴いた…。





振り返るとエメラルドの瞳は明るく光って…。綺麗だった。





オレンジ色の光が当たって…。
揺れていた…。





「待ってたのか?」





「そうよ…。」





何故…。その真っ直ぐに見てるの…。





「それならさっさと殺せば?」





「寝込みを襲うのは嫌い。」





「君は面白いね…。その。」





「あなたに言われたくないわ!竜族がこんなところで何してるの?!さぁ剣を取りなさい…。それとも…。」





「しばらくは元の姿に戻れない。疲れた。」





なんなの!これじゃ話が違う!





「ちなみに僕家出してるんだ…。」





「えっ?」






「だから家出だよ。竜族から逃げて来たんだ。だから首をとってもたぶん伝説から外れるかもしれないけど…。君ならあげてもいいよ。」





やはり竜族か…。なんて上から目線…。





「私はしない!闘わないなら意味がない。」






「いいの?ステラ姫…。」





「ステラでいいわ!ここでは姫ではない…。」






「君は可愛いんだね。」




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