夢宙〜私の初恋物語〜
「華夏♪おはよ」

そんなぁ・・・・

てゆうか、注目の的じゃん。

うん。ここはもちろんのことシカトに限るよね。

私の身長は、159センチと、だいたい普通の背丈。でもって、アイツは私よりも15センチほど高かったから、175センチぐらいなはず。

なのにさ・・・・あんな笑顔で走ってこられたら、恥ずかしいっちゃありゃしないっつーの。

ついでにみんなの視線も集めちゃってるし。

「あー!奏芽じゃぁん!!何で昨日いなくなっちゃったのぉ?」

あ、たしか、昨日の、ハナちゃんだっけ?

「うざかったから」

・・・・え?今の、奏芽君?なのか?

「てかさ、俺、彼女いるし」

あ、彼女いたんだ。なのに私に告白するなんて、浮気じゃん。

「俺の彼女、華夏」

「「「「は?」」」」

何人かの声が一斉に聞こえた。

「奏芽君、彼女いるんじゃないの?」

「だぁかぁら、それが華夏だよ?」

どうか・・・どうか神様、嘘だと言ってください!

「華夏、行こう♪」

放心状態の私が連れられてきたのは、屋上だった。

はっ、意識が戻った!

「あらためて、よろしくね。あ、俺のことは、奏芽でいいから♪」

プッチーン。私のなにかが弾けちゃいましたぁ。

「なにが彼女よっ!彼氏にするなら好きな人って言ったでしょぉ!!私はこんなの認めないからっ・・・・ほんと、認めないんだからねっ・・・」

「あー・・・はいはい、わかったから。だから・・・・お願いだから、泣かないでくれないかな」

こんなの、ひどすぎだよ・・・・。
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