夢宙〜私の初恋物語〜
華夏Side

「ゴメン」

んな言葉ですまさないでよ・・・。

「でも、本当に好きだから。俺の初恋だから。信じて・・・」

そんなに、真剣に言わないでよ・・・信じてもいいのかな?とか思っちゃうじゃんか。

「もう、いいよ・・・勝手にやってればいいじゃん!私は、絶対に好きになんかなんないんだからね!!」
「うん。それで十分だよ・・・」

小さくて聞こえないけど、なんか言った?

「なんか言った?!」

「なんでもない」

「そ。じゃぁ、私行くから。べーだっ!」

私は最後にあっかんべーをしてその場から離れた。




「それで、逃げてきちゃたの?」

「うん。あったり前じゃない」

ただ今、南美から事情聴取されています。

「ばっかじゃないの?!」
ふん。どーせ私はバカよ。
「もう、どうだっていいの。アイツが一生私に関わらなかったら」

「はぁ・・・これだからねぇ」

「ふん。私、ママにお使いたのまれてるから先に帰るね」

「うん、わかったよ。最近、チャライ人が増えてるっていうから、気を付けるんだよ」

なんで私に言うんだろう?南美が知ってればいいことなのに・・・

「うん、じゃあね」

「ばいばい」




えっと・・・・卵と牛乳と小麦粉とパン粉と砂糖か。
あんまり重くなさそうでよかったぁ。

「ねぇ、君」

今日の夜ご飯なんだろー。
「ねぇ、君、君」

天麩羅食べたいなあ。

「ねぇ、君」

肩をたたかれた。

「はい?私になんの用でしょうか?」

「君、可愛いねぇ、俺らと遊ばない?」

そんな、平成のナンパじゃないんだから。古いでしょ。

ん?ナンパ?これはナンパなのか??

「無理です。買い物があるんで」

そう言って歩きだそうとしたら、腕を捕まれて、口も押さえられた。

「んー!んー!」

「ちょっと静かにしててね・・・」

ガツッ

そのまま、私は意識を手放した。




気が付くと、そこはどこかの倉庫だった。

「相模奏芽はまだか?」

奏芽?

「はい。ただ今連絡が来ました」

「なんと?」

「華夏に指一本でも触れたらぶっ殺す。とです」
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