夢宙〜私の初恋物語〜
「ほほぅ・・・お、気が付いたか?」

奏芽と私と、なんの関係があるっていうのよ。

私は目で訴えた。

「あいつはな・・・俺の彼女を奪ったんだ。だから、俺もアイツの女を奪うんだよ」

んなの・・・自分が悪いんじゃないの?

「ふん、なにかしゃべりたいことがあるみたいだな」
そう言って、タオルを口から外してくれた。

「あんた・・・バカじゃないの?」

「?!おまえ、誰に向かって口をきいてんだと思ってんだよっ!!」

これだから不良は嫌いなのよ。

「奏芽は悪くないよ。その女が悪いと思う。だってさ、ナンパされてひょろひょろついていっちゃうような女だよ?どうなのよ。あとさ、そんな女を選んだアンタもどうなわけ?もっといい女選びなさいよ。わかった?私が言いたいことはこれだけ」

「てめぇ、ふざけんじゃねぇ!!」

私に向かって、こぶしが振り下ろされた。

ヤバい。

でも、痛みはなかった。え、無かった?何故だ??

「指一本触れてねぇだろうな?」

奏芽・・・?

そのあとは大惨事だった。私がとめなかったら、奏芽は殺人犯になっていたかもしれない。

そして、今は奏芽の家にいる。あ、近かったからだよ?

「なんで、あんなに怒ったわけ?」

「アイツ、華夏の鎖骨見たから」

は、い・・・?

「華夏は、知らなかったと思うけど、アイツら、華夏の鎖骨見たんだよ?」

は?鎖骨ぐらい、誰だって見るでしょ。

「はぁ・・・わかってないなぁ。華夏、Yシャツのボタン開けすぎなの」

見てみると、なんと第二ボタンまで開いていた。

「あ、あ、アンタ、なんてところまで見てんのよっ!!」

「無防備な華夏が悪い。つかさ、ココが男の家ってわかってんの?下手したら、襲われるかもしれないんだよ?」

んなの、わかってるっちゅーの。でも・・・・

「本能(?)的に、アンタは大丈夫だって言ってるんだよねぇ・・・」

「あ、俺のこと好きになっちゃった?」

「調子のいいこと言うんじゃないよっ!」

私は、背中をバシッ!と叩いた。
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