マスカレード【仮面de企画】
「プロの要人ボディーガードだよ。両親は日本人だが、あいつはアメリカ国籍。以前は軍にいたらしいね。今は、王女様専属のボディーガードだ」

「ふうん」


美幸が髪に手をやって、煩わしげに後ろに払った。

ふわっと花の香りがした。

俺の脈が跳ね上がった。


「王女様はどこの人?」

「ヨーロッパの小さな国のお姫様さ。名前はリュシア。みんなはプリンセス・リューって呼んでる」

「王女様はお忍びでこのパーティーに来たのね」


お忍び?


「いいや。王女は日本に留学中なんだ。ここに来たのだって。プリンセス宛てに招待状が来たからだ」

「あら! だって……」

「なんだよ」

「お付きの人とドレスを取り替えてるように見えたけど?」


おい、マジか?


俺は無線マイクで夜光を呼んだ。

「おいっ! 夜光、聞こえるか? 王女はスタッフと入れ代わってるぞ」


――ああ。今、本物の王女と一緒だ


夜光の声がした。

さすがはプロだ。見抜いたか

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