瑠璃の羊
 *

その日はゆっくりと昼まで眠っていることにした。

流したままにしておいた雨音が規則的に降り注いでいる。

カーテンの向こうがたとえ晴れていても、ここだけは雨の中だ。
 

ほぼ全員の寮生が午前中にはここを出ていく。

ゆっくりしていくものはいない。

だって久しぶりの外なのだから。
 

それに出遅れたのが悔しくて不貞寝したわけではない。

皆に笑われるのが怖かったわけでもない。

どうせ謹慎の身であることは全員が知っている。

そしてそれをどう思われようとわたしの知ったことではない。
 

ただせっかくの休日、ゆっくりと自分の世界に浸りたかった。

夢と現実のあいだでまどろんで、だらだらとしていたかった。
 

結局、ベッドから起きあがったのは昼過ぎ。

さすがに喉が渇き、備え付けのクーラーボックスからミネラルウォーターを取り出す。

ふたをひねりゆっくり体内に流しこむ。

冷たさが染みわたる瞬間。
 
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