瑠璃の羊
それからは時間通りに食堂に行き用意してくれた食事を摂った。
謹慎を更に伸ばしては面倒だと出された課題も終わらせた。
空いた時間には読書をし、ネットワークで外のニュースを知り、雨音に包まれながら眠りにつく。
一度だけ、両親から連絡を受けたらしい兄からメッセージが届いていた。
この学園を首席で卒業した兄は、けしてわたしを責めることなくたしなめることもなく、今度日本に帰ったら一緒に出かけようと妹を元気づけようとしていた。
兄は謹慎なんかくらったことがないだろう。
だから、わたしのこの瞬間の気持ちもわからない。
いや、それ以前にできそこないのわたしのことなんか、たぶん、何も知らない。
返信は、しない。
しばらくして二通目のメッセージが届いたけれど、それは開けることなく削除フォルダへと移動した。
そして三日目。もうすぐ折り返し地点。
他の学生に合わない謹慎期間は、たしかに案外悪いものではなかった。
話相手ならキッカがいるし、ヒノエともネットワークを介して連絡を取れる。
まだここにいる、ということだけが少々窮屈で、不便はない。
いや、やはりありがたかった。
両親とも同級生とも切り離された期間。