瑠璃の羊
その名はひどくさみしいものに思えた。
自分の名と並んでは、どこかもうあの名ではない気がしていた。
そう、あの絵に添えられたからこその名前。
ひどく身勝手な感情だけれど、それが恋ってものなのでしょう? 古今東西、どの小説だって恋は愚かで自分勝手だって書いてある。
本来、並ぶことがないであろうふたつの名前。
わたしはそれを喜ばしいことと受け取れない。
わたしなんかと並んではかすんでしまう。しかもそれが謹慎の通告だなんて。
寮謹慎。
タイミング素晴らしく明後日からこの学園は夏季休暇に入る。
電子掲示板に記された日付も、明後日から一週間になっている。
謹慎には違いない、だが学校には来てもらう。
そんな意図が見えるベストなタイミング。