先生とわたし
残
あの後、琴音が手伝ってくれるって言ったけど、断った。
琴音だけには、迷惑をかけたくはない。
琴音には、勉強に集中して欲しい。
「んじゃ、私帰るよ?」
「うん。じゃあ明日ね。」
さてと。
続きやりますか。
あと、2クラス分。
やるしかないね。
「高野。これ追加。」
「え゛。」
「さっきの罰。」
教室で1人、古河から頼まれたことを片付けていると、新たなプリントを持って私の教室に入って来た。
でも、よく見るとそのプリントは、今綴じているプリントとは全く関係の無いプリントだった。
「これって…。」
「ん?高野、生物の点数悪かったから。」
「私だけ?」
「いや。授業で渡しそびれた。他の奴には、次の授業で渡す。」
前回の定期テスト。
生物だけが、40点以下だった。
他の教科よりかなり悪くて、赤点。
「いつまでですか?」
「月曜まで。教科書見れば、全部解けるから。」
「分かりました。」