先生とわたし
数日前、前期の期末テストがあった。
中間テストよりも内容が難しいという事は、
去年のテストを経験しているから、誰でも知っているはずだ。
生物Ⅱは、初日の2時間目だった。
2学年の各クラスを回り、たまたま最後が高野のクラス。
他のクラス同様に、1人1人の進み具合を見ていると、
何故だか、高野の解答用紙に見入ってしまった。
―――ほぼ間違い。
まだ、20分近く残っているのに、もう寝ている。
点数をつける気が失せた。
次の時間。
早速、採点に取り掛かった。
出席番号順に採点していくと、
高野の友人である、柏倉が先に来る。
柏倉のテストは、ほぼ完璧だった。
それに比べて高野のテストは……
前の時間に見たのにもかかわらず、驚いてしまった。
……15点。
まだ、ひと桁じゃなかっただけでも、よかっただろう。
指導にするか、課題にするか……。
まずは、課題にしよう。
それでも解らないようなら、指導にすればいい。
テストは難しかったから、課題は簡単にしよう。