先生とわたし
「柏倉、大丈夫か?」
首を振るだけで、言葉を発さない。
「…電話してみたら?」
コクッ。
「…智クン、まだ?」
「…早く来てよ!!」
琴音は携帯を閉じて、入口をずっと見ている。
「…どうだった?」
「すぐに来るって…。電話口に生徒がいるみたいだった…。」
生徒の相手してて、なかなか来れなかったのかな?
「来るって分かったんなら、涙拭いて。ったく、何であのタイミングで大木先生来るんだか…。」
そうだよ。
私達が部屋に来る前とかに来ていれば、琴音がここまでならなかったと思う…。