先生とわたし
Ⅰ
呼
ピンポンパンポン
≪呼び出し致します。2年の高野千華さん。職員室古河まで来てください。≫
はぁ~。
今回は何を言うんだか…
仕方ない。
行くか。
「千華、どこ行くの?」
「古河の所。」
私といつも一緒にいる、柏倉 琴音。
琴音は、古河がどんな教師なのか、分からない。というより、教師だと認めているのかが謎。
「ふ~ん。行ってらっしゃい。」
急がないと…。
始業前だから、廊下には生徒がたくさんいる。
人の波をかき分けて、職員室へと向かった。
「失礼します。何でしょうか。」
「今回はだな…」
呼び出しをしては、何かと仕事を押し付けてくる。
何で私なのかは分からないけど、1年生の終わりから始まって、2年生になってからその回数が増した。
「高野、聴いてんのか?」
「あっ、はい。」
「聞いてなかったな。このプリント4枚を1組ごと綴じて、クラス毎分ける。何時でもいいけど、今日中に俺の所に持って来ること。あっ、勿論授業優先だからな。」
「分かりました。お預かり致します。」
と。
5クラス×30人分。
帰りの時間が遅くなるのは覚悟だ…。