先生とわたし
「…先生。」
「どうした?」
祐チャンの隣に座って居る、主任の先生も、何事かとこっちを見た。
「琴音が…。」
主任の先生には聞こえないように、祐チャンの耳元で言った。
コクッ。
「主任、ちょっと席外します。」
「はい。」
車両の後ろのスペースで、話した。
「で、柏倉が何したんだ?」
「新幹線に乗ってから石黒先生の所に行ったら、先生のクラスの子がほっぺにキスしてるのを、琴音が見ちゃって…。で、すぐ引き返して席に戻ったら、泣き出して…。祐チャンを呼んで。って言われたから、呼びに来ました。」
「短時間に、凄いことあったんだな…。」
「はぃ…。」
「まずは、柏倉と話してみるか。」
「お願いします。」
偶然にも、私達の席の隣の2席が空いていて、席の場所が出入口の所だから、あまり気付かれない。
「…柏倉が気持ち落ち着いて話せるまで、俺ここに居るから。」
コクッ。
祐チャンは、琴音のすぐ隣に座った。
相当ショックだったんだろ。
どんどん、ティッシュが減って行く。
BOXで持ってきて、良かった…。
……