先生とわたし



…トントン。

「「入りまーす!!」」

「「どーぞ。」」


ちょうど、着替えが終わった時に、二人は戻って来た。


「柏倉、はい。」

「祐チャン、何これ?」


祐チャンは琴音に、白い封筒を渡した。


「修学旅行の時の写真。」


「あっ、私もあるんだった!!」


私は、カバンの中から、2つの封筒を取り出して、琴音と智クンに渡した。


「「ありがとー」」


「なら、帰るか。」

「「うん♪」」




もちろん、帰りは祐チャンと一緒。


「祐チャンにも、渡すね♪」

二人よりも、少しだけ厚みがある封筒を、祐チャンに渡した。


「Thank You高野には、後で渡すな。」

「はい♪で、祐チャン?」

「うん?」


「あのね。お母さんとお姉ちゃんにだけ、祐チャンの事言おうと思うんだけど…。ダメかな?」


「…認めてくれるのか?」

「分からない。でも、何かあった時のために、言っておくだけでも、違うんじゃないかな?って思って…。」


……


信号待ちをしている間、祐チャンはハンドルに、項垂れた。


やっぱり、ダメだよね…。


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