先生とわたし
「はい。」
『先生。』
「…誰ですか?」
名乗れよ。
『んっもー。柏倉です。柏倉琴音!回りくどいの嫌いなんで、単刀直入に。先生、千華の事、好きでしょ。』
…
場所を替えよう…。
下手したら、柏倉の声が周りに漏れているかもしれない。
「は?ってか、何で番号知ってんだ?」
『名簿を悪用?それはいいとして、ちゃんと答えてください。』
「お前な―。何を根拠に言ってんだ?」
『うーん。先生の態度。』
…そうだよな。
他の生徒に、あそこまでやらないからな…。
『先生?』
「あ、あぁ?」
『千華は全く、気付いてないみたいだから、大丈夫だからね。』
「お、おぉ。ってか、話したのか?」
『ちょこっとだけね~。黙っておいてあげるから! んじゃね。』
ブツッ。
一方的だな。
ん、もしかして、柏倉が話したから、俺の顔を見ていたのか?
これからは、“普通”にしないと、危ないな。
あっ、否定するの忘れてた。