先生とわたし
「始めるぞー。」
スーツを身に纏った、智クンが来た。
「今日は新しい所に入るから、まずは本文の読み合わせをしていく。教科書の178ページ開いて。」
言われるがまま、教科書を開いて本文を目で追った。
トントン…
何だろ?
「これ、祐輔からの伝言。」
「えっ、あ。どうも。」
智クンは小さなメモを私の机に上げ、一言言ったらまたすぐに、教室内を歩き始めた。
ー風邪ひいたみたいなんだ。悪いけど、食べ物買ってきて欲しい。カギは、ポストに入れてあるから。ー
一人暮らしだから、他に頼れる人が居ないんだ…。
「千華。何って?」
琴音に祐チャンからの伝言を見せた。
「…心配だねあと1時間で終わるんだから、もう少しの我慢だね。」
「うん」
いつの間にか書かれていた板書を急いで写した。
そういえば、薬とかはあるのかなぁ…。
智クンには悪いけど、返事が来ることを願って、今のうちに、メールしておこう。
--大丈夫ですか? 薬とかあるの?--
送信。
っと。