先生とわたし



グラウンドに行くと、すでに部員が集まっていた。


「ギリギリだな…。昨日は部活休みにして悪かった。今日は石黒先生の計らいで、工業高校と練習試合を組んでもらった。日頃の成果を見せてくれ。」

「「はい!!」」


何とか15人が集まってくれた。

半数にも程遠いけど、集まってくれたことに感謝。



ピー


祐チャンが審判をするみたい。


「千華チャン、念のためドクターバッグ持って来てくれる?」

「はい。」

「あっ、私が行ってくる。」

そう言うと、琴音はすぐに走ってグラウンドを出て行った。


「あの…。」

「うん?」

「琴音と何かあったんですか?」

「色々とな…。心配させてごめんな。」

「いえ。ちゃんと話聞くんで、何かあったら言って下さい。」

「ありがとう。あっ、昨日ごめんな。」

「全然大丈夫です。」


あまり、琴音たちの事に首を突っ込まない方がいい。



「千華チャン、記録録ってくれてるか?」

「はい。」


祐チャンが審判でできないか、私が代わりに選手の動きなどをメモっている。


「今、どんな感じ?」


琴音が戻って来た。

「まだ、0ー0。惜しいのは何回かあったんだけど…。」

「そっか…。石黒先生、これって何分ハーフですか?」

「30分です。」

うわっ。

相当、ヤバいんだ……。


三人の所だけ、空気が重く感じる。



< 326 / 512 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop