先生とわたし
グラウンドに行くと、すでに部員が集まっていた。
「ギリギリだな…。昨日は部活休みにして悪かった。今日は石黒先生の計らいで、工業高校と練習試合を組んでもらった。日頃の成果を見せてくれ。」
「「はい!!」」
何とか15人が集まってくれた。
半数にも程遠いけど、集まってくれたことに感謝。
ピー
祐チャンが審判をするみたい。
「千華チャン、念のためドクターバッグ持って来てくれる?」
「はい。」
「あっ、私が行ってくる。」
そう言うと、琴音はすぐに走ってグラウンドを出て行った。
「あの…。」
「うん?」
「琴音と何かあったんですか?」
「色々とな…。心配させてごめんな。」
「いえ。ちゃんと話聞くんで、何かあったら言って下さい。」
「ありがとう。あっ、昨日ごめんな。」
「全然大丈夫です。」
あまり、琴音たちの事に首を突っ込まない方がいい。
「千華チャン、記録録ってくれてるか?」
「はい。」
祐チャンが審判でできないか、私が代わりに選手の動きなどをメモっている。
「今、どんな感じ?」
琴音が戻って来た。
「まだ、0ー0。惜しいのは何回かあったんだけど…。」
「そっか…。石黒先生、これって何分ハーフですか?」
「30分です。」
うわっ。
相当、ヤバいんだ……。
三人の所だけ、空気が重く感じる。