先生とわたし
「どうだ?」
「骨折はしてないはずなので、捻挫だと思います。」
「高橋、大丈夫か?」
「はい。」
「歩けるか?」
「たぶん…。イッ…。」
高橋くんは、自力で立ち上がったものの、痛みが強いみたいで、すぐに座ってしまった。
「無理か…。ほら、乗れ。」
「すいません。」
石黒先生がおんぶして、ベンチまで連れて行ってくれた。
「一応、親に連絡しておいた方がいいな。家に誰か居るか?」
「母がいます。」
「わかった。俺、電話して来るから。」
「はい。」
「…ありがとうな。」
「「いえいえ。」」
高橋くんは、唯一同じクラスの子。