先生とわたし
「ちゃんとスポーツ外傷の勉強しよっかなぁ…。」
高橋くんの時の判断を間違った事、気にしてるんだ…。
「何もそこまでしなくても…。」
石黒先生も怒ってないし、私でさえ捻挫だと思っていたんだから。
「まぁ…。でも、少しだけ知ってても損はないでしょ。」
「うん。じゃあ私は、選手管理をもっとしっかりとするよ。」
琴音だけ、大変な思いはさせてられない。
「よし。じゃあ、徹底的に取り組もっか。」
「うん♪」
「勝手にそんなこと決めやがって。」
「石黒先生…。」「智くん…。」
話が終わるのを待っていたかのように、石黒先生が部室に入って来た。
「そうやって動いてくれようとするのは別にいいんだ。でも、自由な時間が無くなるんだぞ!?」
「そんなの構わない。私はただ、自分が情けなかったの。」
「それはともかく、スポーツ外傷だの何だのって、お前の進路と全く関係ない勉強をしたら、本当になりたい職業とは別の職業に就くかもしれないんだぞ。それで琴音はいいのか?」
「少しは関係あるかもしれないじゃん!!」
うわぁ、二人で言い合いが始まっちゃった…。