先生とわたし


……帰ってもいいかなぁ。
二人の喧嘩に付き合ってられない。


「高野。」

「祐チャン…。」


相手チームの顧問と話していた祐チャンも、部室に来た。

「あの二人、何してんだ?」

「何か、喧嘩してるみたい。もう帰ってもいいと思う?」


一向に収まる気配がない二人。

「居ても邪魔だろうから、帰るか。」

「うん。」

「智輝、俺たち帰るからな。」

「あぁ。お疲れ様。」

「「お疲れ様。」」



「喧嘩するなら、帰ってからすればいいのにな。」

「うん。周りのことも考えて欲しい。」

「だな。」


「明日は?」

「明日は、オフ。だから、ちゃんと勉強しろ。」

「うん。」

「あ、そうだ。これ、昨日のお金。」

そういって祐チャンは、財布から5000円を取り出して、私に渡して来た。

「そんなの別にいいよ。私は祐チャンが元気になってくれただけで、十分だよ♪」

受け取れる訳ないじゃん。

「そう言わずに。な。」

そういって、私のポケットにお金を入れた。

「…ありがとうございます。」

「俺の方こそ、ありがとうな。」


別れる最後の信号待ちの間、抱きしめられた。


「じゃあな。」

「うん♪じゃあね(⌒∇⌒)ノ""」

いつもの場所で降ろしてもらった。


と。

成績を上げるために、勉強しますか。



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