先生とわたし


あっ、弁当箱片付けて無かったし…。

生物の準備もしてなかった。


「今日は、今までの復習をやって貰う。何してでもいいから、なるべく全部埋めること。」


言うだけ言って、祐チャンは教卓から動こうとしなかった。


「相当悩ませちゃってるみたいだね…。」


祐チャンは考え事をするときは必ず、頭を抱えて髪の毛を掻きむしる。


それでも落ち着かない時は、ペンのノックもする。
それが祐チャンの癖で、今は全部している。


「いきなりだったからね…。」

「他の生徒に危害がなければいいけど…。」

「どうだか…。まぁ、怒られる前にプリント終わしちゃお。」

「だね。…教えて下さい。」


地道に自学はしているんだけど、分からないことが沢山ある。


「はいはい。てか、聞きに行けばいいじゃん。」

「ダメだよ。私だけに付きっきりになっちゃう。」


私だけに付きっきりとかになったら、もっと怪しまれる。


「そうだね。」


ハッキリと言われちゃったし…。



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