先生とわたし
バサッ
テーブルの上に乱暴に置かれた、進路の資料の数々。
「…さぁて、始めますか。」
「はぃ…。」
古河は、私の過去の希望調査書に目を通している。
「…夢は無いのか?」
顔を上げず、独り言のようにボソッと呟いた。
夢…。
平和に暮らす。
夢っていうより、願望に近い。
「四年制でいいのか?」
「はい。」
「んで、夢は?」
「…平和に暮らす。とか?」
……
「マジで言ってるのか?」
「はぃ。」
「いやぁ、凄いわ。お金持ちとかならまだしも、平和に暮らすって、簡単には出て来ないぞ。」
お金持ちって、小学生じゃあるまい。
「なら、先生の夢って何ですか?」
……
「言ってもいいのかなぁ…。」
「言っちゃってくださいよ~」
「この学校を乗っ取る!!」
「へっ!?冗談ですよね?」
「本気だったら?」
「いや、無理ですよ。この学校を乗っ取るなんて…。」
「嘘に決まってるだろ。」
ビビったぁ(汗)