先生とわたし
「…シングルマザーか。大木もいい奴だね。」
「うん。それより、録音してなくていいの?」
「うん。だって、隣の部屋で盗み聞きしてるみたいだから。」
「えっ!?」
ガラッ
「いつから気付いてたんだ?」
タイミングよく二人が入ってきた。
「二人が大人しく職員室で待ってる訳ないでしょ。」
「まぁな。」
「二人は舞ちゃんの子どもの事、知ってたの?」
「いや。」「全然。」
「職員室内での噂はあったけど、まさか榎本だったとは…。」
「それに、大木先生も関わってるとか…。よくバレずに居たよな。」
「まっ、人の事言えないけどね(笑)」
私たちだって、おおっぴらに出来ないし…。
「ん?俺たちは大丈夫だぞ?」
「「どういう意味!?」」
石黒先生の大丈夫の意味が理解できない。
「私立だし。実際に何人か教え子と結婚してる人いるし。それに何しろ」
「校長もだし。」
教え子と結婚してる先生がいるのは知ってたけど、まさか校長先生までだったとは…。
「だから、教師側にはバレても大丈夫だけど、生徒たちには卒業まで秘密っていうのが条件。」
「早速その条件破ったけどな(笑)」