先生とわたし
「俺は、一人前の教師になるのが夢。」
「まだ一人前じゃないんですか?」
「あぁ。誰かさんみたいにかなり悪い点数採られるような授業してるし、部活もちゃんとした結果を持ってきてないからな。」
「先生は悪くないんです。ただ私がバカなだけで…。」
授業を理解できない、自分がバカなんだ。
「んで、大学に行って何したいんだ?」
「うーん…。何って言われても…。」
「憧れの職業は?」
「……教師とか?」
「まぁ、安定職って感じだな。何か、思い出とかあるのか?」
「小・中って、いい先生と巡り会えて、楽しく過ごせたし、あと保健の先生からもよくして貰えてたから、いいなぁ〜って。」
「へぇ〜。なら今のところ就きたい職業の欄に教師って書いて置いたら?」
「…そうします。」
でも、教師って大変だよね…。
モンスターペアレントとか問題児とか…。
「学校も探してみるか?」
分厚い本を見ながら、聞いてきた。
「もう遅いし、先生はこれから部活あるだろうから今日はいいです。」
「そっ。んじゃ、この本貸して置くから自分でちょっと探してみて。」
「分かりました。わざわざありがとうございました。」
職員室を出て、急いで駅へ行った。