先生とわたし
…………
お互いに黙ったまま、テレビの音とお互いの呼吸だけが聞こえる。
「…あのさ。」
沈黙を破ったのは、先生だった。
「はい。」
「この前、俺が言ったこと覚えているか?」
…少なくとも、俺は好き。
「はい。」
「あれ、本当だから。だから…もう、その…。」
「私も、先生の事、好きです。」
…タイミング悪い感じだけど、言えた。
「ありがとう。だからさ、もう…。結婚を前提に付き合ってくれませんか?」
「はい。」
結婚を前提に…か。
「なら、家の中では敬語と先生は禁止な。」
「は…。うん。パパ?」
「パパはないだろ(笑)」
そう言われると悩む…。
千華チャンは、祐チャンだし。琴音チャンは、智クンだし。
やっぱり、名前を入れるべきか。
「…陽クン?」
陽人(ハルト)だから、陽クン。
「うん。じゃあ、卒業するまでは手は出さない方向で。おやすみ。」
方向って…。
「おやすみ。」
これで、約束守れた。
あとは、順調に付き合っていくだけ。
と言っても、これまでと変わらないと思うけど。