先生とわたし
Ⅵ
X'mas
例年より激しい雪が降り積もり始めた。
…ホワイトクリスマスだ。
祐チャンはまだ仕事があるからって、いつもと同じ時間に学校へ行った。
特にここに居てもする事ないし、つまらないから自分の家に戻って、祐チャンの帰りを待ってよ。
「…ただいま。」
「あら、お帰り。祐輔クンは一緒じゃないのね。」
「うん。まだ仕事なんだって。」
「大変ねぇ…。」
冬休み中の課題を開き、取りかかった。
得意な国語をさっさと終わらせ、苦手な数学は答えを写す。
それではダメだって事は分かっているけど、解らないものは頑張って考えても解らないんだから、仕方ないでしょ。
「千華、夜どこか出掛けるの?」
二階から、お姉ちゃんが降りてきた。
「何も言わないから、分かんない。お姉ちゃん達は?」
「レストランだか予約してくれてるみたい。」
「いいなぁ~。」
「祐輔クンだって、ちゃんと考えてるだろうから、いきなり言われても大丈夫なように、準備だけしておきなさい。」
「うん。」