先生とわたし

X'mas




例年より激しい雪が降り積もり始めた。



…ホワイトクリスマスだ。


祐チャンはまだ仕事があるからって、いつもと同じ時間に学校へ行った。

特にここに居てもする事ないし、つまらないから自分の家に戻って、祐チャンの帰りを待ってよ。



「…ただいま。」

「あら、お帰り。祐輔クンは一緒じゃないのね。」

「うん。まだ仕事なんだって。」

「大変ねぇ…。」


冬休み中の課題を開き、取りかかった。

得意な国語をさっさと終わらせ、苦手な数学は答えを写す。
それではダメだって事は分かっているけど、解らないものは頑張って考えても解らないんだから、仕方ないでしょ。


「千華、夜どこか出掛けるの?」

二階から、お姉ちゃんが降りてきた。

「何も言わないから、分かんない。お姉ちゃん達は?」

「レストランだか予約してくれてるみたい。」

「いいなぁ~。」

「祐輔クンだって、ちゃんと考えてるだろうから、いきなり言われても大丈夫なように、準備だけしておきなさい。」

「うん。」


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