先生とわたし



「…千華。」

えっ。
今、名前で呼んでくれた。

「うん?」

「着いて来て。」

誰だか分からないけど、会って欲しい人がいるんだっけ。


言われるがまま着いて行くと、私のお父さんとお母さんと変わりない位の夫婦がいた。


「…えっと、俺の両親。」

えっ!?
あ、挨拶しなきゃ!!

「初めまして。高野千華です。祐輔さんとお付き合いさせていただいています。」


緊張する…。
挨拶とかだったら、前もって言ってて欲しかったよ(涙)

「まぁまぁ、座って。」

「失礼します。」

何言われるか分からなくて、怖い。

祐チャンも、お父さんに挨拶した時、こんな感じだったのかな…。


「祐輔の母です。」
「祐輔の父です。まさか、こんなに若い子を彼女にするとはな…。」

「すいません…。」

やっぱり、歳の差ありすぎだよね…。

「千華チャンは謝らなくていいのよ。私たちにとっては、ありがたい事なんだから。」

優しそうなお義母さんだなぁ。

「…付き合い、認めてくれますか?」

「まぁ…。それなりの覚悟ができてるなら、いいだろう。」


私と付き合うには、やっぱり覚悟が必要なんだ。

「「ありがとうございます。」」

「千華チャン。これからよろしくね。」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」


良かった。
お義父さんとお義母さんに、認められた。




「祐輔。…解ってるだろうな。」

「はい。」

「今度ゆっくり、家にいらっしゃい。」

「はい。「失礼します。」」


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