先生とわたし
「着替えたら、リビングに来て。」
「うん。」
よく泊まるようになってから、祐チャンが空いていた部屋を貸してくれた。
未開封の祐チャンの引っ越し時の段ボールとかあるけど、着替えたりするくらいだから、特に気にしない。
祐チャンへの、クリスマスプレゼントを持ってリビングに行った。
「何か飲む?」
「紅茶的なのあったっけ?」
戸棚をあさると、引き出物の紅茶が出てきた。
「あったよ。」
「おぅ。」
祐チャンは、お皿とフォークをテーブルに並べていた。
「はい。どーぞ。」
「Thank You。ケーキ食えるか?」
「うん♪そういうのは、別腹だから(笑)」
「だよな♪」
祐チャンは、箱からショートケーキを取り出した。
「「いただきます♪」」
いくらレストランでたくさん食べても、こういうケーキは食べれてしまう。
「あ、プレゼント。」
「ありがとう♪見ていいか?」
「うん♪」
こないだ琴音達と出かけた時に買った物をあげた。
「おぉ~!!ちょうど買い替えようと思ってたんだ。これも、実は前々から欲しかったんだ。」
「なら、良かった♪」
ワイシャツとかネクタイとか、ありきたりな物にしなくて良かった。
「じゃあ、俺からも。」
祐チャンは、細長い箱をくれた。
「ありがとう♪開けていい?」
「どーぞ。」
箱を開けると、小さなハートが付いているネックレスが入ってあった。
「何から何まで、ありがとうございます♪」
「気にするなって。それ、ブラウスから見えないから、校則も大丈夫だから。」
「うん♪あ。さっき、初めて名前呼んでくれて嬉しかった。」
「なかなか呼んでやれなくてごめんな。」
「ううん。でも、琴音から催促した方がいい。って言われてたから、帰る時まで呼んでくれなかったら、自分から言おうって思ってたんだ。」
「俺も、もっと早くから呼びたかったんだけど、やっぱり、学校での事とか考えたらなかなか呼べなくて…。何も呼び方で、どうこうなる訳じゃないって思ったら、自然と呼べてた。」
やっぱり、学校での事を考えてたんだ…。
「ありがとうね♪」
「俺の方こそ、色々考えててくれてありがとう。ほら、風呂入ってこい。」
「うん♪」
琴音達との約束とは違う結果になっちゃったけど、名前で呼んで貰ったことに違いはないんだから、良しとしよう。