先生とわたし
「「いただきます♪」」
蒼空クンにも、私たちと同じ物を食べさせるからって、舞チャンが味付けをしてくれた。
「「美味っ!!」」
「美味し~」
オムライスのふわとろが、本格的で凄い。
「ありがと♪」
蒼空クンも、スプーンを器用に使って、一人で食べている。
「…手伝ってはやらないの?」
「自分でしたがってるから、一人で食べさせているの。」
「だと、自分もゆっくりご飯食べれるもんね。」
「うん。片付けは大変になっちゃうけどね…。そういや、二人は進路どうするの?」
「私は進学するよ。」
「私も。舞チャンは?」
聞いちゃ悪かったかな…。
「本当は進学したかったんだけど、仕方ないよね…。だから、就職かな。」
「何かごめんね…。」
「いいよ。進学って、職業とかも考えてたりするの?」
「うん。私は、高校の教師になりたいんだ!千華は?」
「私も教師になりたいって思っているけど、具体的にはまだ…。それに、ちゃんと親に話してないんだよね…。」
お父さんが行く前までには、話しておきたいんだけど…。
「そうなんだ…。一旦ストップしていい?お風呂入れてくる。」
「「うん♪」なら、片付けしとくね。」
「うん。お願いします。」
お昼寝したはずなのに、蒼空クンは眠そうな表情をしてた。
「祐チャンに話してないの?」
「Y大に行きたいって言ったら、評定がまだ足りないらしくて…。」
「え、私もY大志望なんだけど!!」
「マジ!?もしかしてだけど、学校の進路の本に、付箋いっぱい貼り付けた?」
「うん。貼ったのは智クンだけど。って、何で知ってんの?」
じゃあ、同じ物を琴音が使っていたんだ。
「それ、今私が持ってるんだ。最初見た時既に、付箋貼られてあったから祐チャンが貼ったのか思って聞いたら、違うって言ってたから。」
「んだっけんだ。やっぱりY大に決めた理由って、祐チャンの母校だから?」
「それもある…。」
「実は私もなんだよね。智クンが行ってた学校だから安心できるっていうか何ていうか…。それに、国公立だから経済的にね。」
「そうそう。今、私立に通ってるからまた私立っていうのは、親に悪い気する。」
「うんうん。」
「二人して、ちゃんと考えているんだね。」
舞チャンが戻って来たけど、蒼空クンの姿がなかった。
「蒼空クンは? 」
「寝せた。居ない方が、色々話せるでしょ。」
「まぁね。はい、ジュースとつまみ。」
そう言って琴音は、サイダーとさきいかをテーブルに並べた。