先生とわたし
「つまみって…。」
「やっぱり、会話の内容によっては、必要でしょ!」
「まぁね。」
これから話す事は大体、予想がつく。
蒼空クンには聞かせられないような事だろうから、舞チャンは寝せてくれたんだと思う。
「クリスマス前に決めた約束、どうなった?」
「私は、ちゃんと名前で呼んで貰えたよ。」
「良かったじゃん♪舞チャンは?」
「うん。…結婚前提で付き合う事になった。」
「「えっ!?」ヤバ…。」
結婚前提とか、凄い。
「琴音チャンは?」
「渋々、作られせてくれた。」
「作っただけ、いいじゃん♪」
「まぁね。ってことは、今はもう、同棲してるってことだよね?」
「そうなるね…。だからと言って、何か変わる訳じゃないんだけど。」
「…手出して来ないの?」
付き合って、一緒に暮らしてるんだから、ちょっとはあっても仕方ないのかもしれない。
「我慢してるんじゃないかな。」
我慢かぁ…。
やっぱり、祐チャンも我慢しているんだろうなぁ…。
「千華チャン?」
「へ?」
「黙ってるって…あんた、まさか…。」
「してないから!!ただ…。」
「「ただ?」」
んー(-_-;)
言うべきか…。
「…乗っかって来て、抱きしめられた。」
「だけ?」
だけ。とか、私にとっては怖かったんだから。
「だけとか、言わないの!千華チャンにとっては、怖かった事なんだろうし。」
「そうだろうけど…。」
「やっぱり、祐チャンはしたかったのかな?」
クリスマスだったし…。
普段は我慢してくれてるんだし…。
「焦らなくてもいいんじゃない?」
「うん…。怖くないの?」
「また、そんな事言ってる…。」
前も同じ事を言っていた私に、琴音は呆れている。
「最初はやっぱり、怖いよ。でもさ、終わってから、より愛が深まっるっていうか何ていうか…。でも、私は別に今じゃなくてもいいと思う。」
舞チャンの最後の言葉は、力強かった。
「…悪い気するんだよね。」
「そんなんなら、千華がしてあげればいいじゃん!!」
「あぁー。その手があったか。」
「……するって、何を?」
二人は分かってるみたいだけど、私はさっぱり分からない。
「えっと…。フ」
バシッ
誰かが、琴音の頭を叩いた。