先生とわたし

初詣



「「明けましておめでとう。」混んでるだろうから、早く行くぞ。」

「うん!」


年が明け、祐チャンと少し遠い神社へ初詣に行く。


年末年始だけは、自分の家に帰っているから、少しだけお父さんに進路の話しをしたりしている。


「話し合い、順調に行ってるか?」

「うーん…。」


Y大に行きたいって言ったら、私立でもいいって。
それに、卒業したら、東京へ出てこないか。って言われた。

東京へ出るってことは、祐チャンと会えなくなっちゃう。

そんな事を言われたとか、祐チャンには言えない。


「俺からも話してみるな。」

「うん…。あ、あのね…。」

「うん?」

やっぱり言えない。

「ううん。何でもない。神社、混んでないといいね♪」

「だな。」


例え東京へ行くとしても、向こうの大学のこと何か全く知らない。

それに今、田舎に住んでるのに、いきなり大都会に行ってやって行けるのか…。



……………



「着いたぞ。」

「うん。」


県内の密かな名所となっている、神社。
どこからか聞き付けて来るんだろう、県外ナンバーの車も結構停まっている。



「大分待たないとね…。」

「あぁ…。寒くないか?」

「大丈夫。」


とか言いつつ、祐チャンのポケットに手を入れて、絡めた。


「冷たっ!! 何が大丈夫だよ。」

「こうして居れば、温かいから。」

「そうだけど…。風邪ひかれると、怒られるのこっちなんだからな!!」

「ほら、バカは風邪ひかない。って言うから、大丈夫。」

「自分で言うなよ(笑)」

「あ。でも、本当に風邪とかひかないから。」

「言ったぞ?」

「うん。」


………

……




< 393 / 512 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop