先生とわたし
パンパン
ー祐チャンと、ずっと一緒に居れますように…。ー
「…行くか。」
「うん。祐チャン、何ってお祈りしたの?」
「千華と同じだと思う。」
祐チャン…。
不意に、祐チャンが力強く手を握って来た。
お父さんが言ってたこと、もしかして悟っちゃったのかな?
だとしたら、同じ事を祈った意味って…。
「先に、俺ん家から行っていいか?」
「いいよ♪ 近いの?」
「千華の家よりは。」
「何も持って行かなくて大丈夫?」
ほら、御年始とか御歳暮みたいな。
「あー…。いいんじゃねぇ?」
「忘れてたでしょ!!」
「あぁ。何で自分の親に持ってかないといけないんだ?」
「それは…。しきたり?」
私の家ではちゃんとやってたんだもん。
「俺ん家はあまりそういうのこだわらないから。でも、千華の家にはちゃんと準備してあるから。」
「ありがとう。」
車は私たちの家がある市へと、進んでいってる。
祐チャンの実家も、市内だったの!?
「着いた。」
「うん。」
初対面じゃないけど、緊張して来た。