先生とわたし
「ここ?」
「うん。ちょっと待ってね。」
鍵を開けて、家の中を見渡した。
うわっ、祐チャンの洗濯物、リビングに干しっぱなしだし!!
まだ乾いてないから…洗面所に干しておこう。
「お待たせ。どうぞ。」
「「お邪魔しま~す。」」
琴音は周りを見渡しながら、部屋に入ってきた。
「案外、綺麗にしてるんだね。」
「千華チャンが居るからじゃん?」
私、掃除した覚えないから、私がいない間に祐チャンが掃除してたんだと思う。
「だよね。祐チャンがするはずない。」
好き勝手言ってくれるよ…。
「ココアでいい?」
「「いーよ!」」
お茶買ってなかったんだ…。
ま、祐チャンココア好きだし、校長先生が来るときに準備すればいっか。
「はい、どーぞ。」
「「ありがとー」」
蒼空クンには、少しでも早く冷めるように、氷を入れてあげた。
「聞いてると思うけど、校長先生が家庭訪問的なで来るんだってね。」
はっきりした日時とかは、まだ知らないけど…。
「智クン言ってたけど、冗談だと思ってた。」
「初耳なんだけど!!本当だったら、私ヤバい…。」
蒼空クンのことか…。
「え、誰にも話してないの?」
「言えないよ…。二人に言うのでさえ、怖かったんだから。」
「先生も言ってないの?」
「多分…。陽クンって、元からあまり自分の事話さない人みたいだから。」
舞チャン、先生のこと、陽クンって呼んでるんだ…。
「何事もないといいね…。」
「うん…。もう、どうしようもできないんだから…。」
ここまで頑張って、停学とか退学とかになったら、舞チャン可哀想…。