先生とわたし
「…蒼空の父親の事、知りたい?」
気にはなってたけど…。
「教えてくれるなら、知りたい。」
「うん。ここまで来て隠して置くのも変だし。蒼空の父親は、同い年の人で1年くらい付き合って、蒼空が出来たらどっかに消えて、今も音信不通なの。」
ヤリ逃げ…。
「蒼空クン出来るまでは?」
「あー。DVで避妊に非協力だったからヤりたく無かったんだけど、半ば強引に…。そんなんだから、蒼空が出来なくても別れてた。」
さらっと言ってるし…。
「…中絶とか考え無かったの?」
「最初は考えたけど、蒼空は何も悪くないんだしエコーとかで元気な様子分かっちゃったら、やっぱり会いたいじゃん。結構、親と揉めたけど最終的にはちゃんと最後まで育てろ。って言って認めてくれた。」
そうだよね…。
蒼空クンには何も責任とかないんだもんね。
「どのタイミングで大木に言ったの?」
「ちょうど悪阻がピークの時に面談あって、そこで陽クンの方から言ってきた。よく考えてみるとどんな目で見てたんだか…。」
「最初から下心あったんじゃないの(笑)?」
ただ担任として、不思議に思ったとかじゃないのかな?
「どうだろう…。ま、本当の事言っても最初から産んでいい。って言ってくれてたし。色々と大変だったけど、陽クンが居てくれたから助かった。」
「めっちゃ大木いい奴じゃん!!付き合ってる事、舞チャンの親知ってるの?」
「一緒に暮らしていたんだから、仕方ない。って。」
一緒に暮らしてて、何も起こらない方が可笑しいもんね。
「結構、拍子抜けだったの?」
「妊娠中に陽クンも含めて揉めたから、もういいみたい。生活費とかも、少し出してくれてるし。」
親と一緒に暮らさないのかな?
その方が、少しは楽だと思うんだけど…。
「何かノロケ入っちゃってごめんね。」
「「全然♪」私たちもノロケちゃうし(笑)」
彼氏居たら普通だよ。
「蒼空クン起きるかな?」
「これ以上寝られたら夜困るから、無理やりでも起こす。連れて来るね。」
「うん。」
テーブルにお皿を並べて、蒼空クンのカレーを温めた。