先生とわたし
「千華、職員室に来て。」
「あ、舞も。」
「「えっ。」」
体育館を出ようとしたとき、祐チャンと大木先生に言われた。
祐チャン何だろ…。
個人的な用事なら、メールでもいいのに…。
「私も行く!!」
この呼び出しが個人的なものだったら、石黒先生は……
生徒に捕まってるから、呼び出せないか。
…………
「「失礼します…。」」
人気が退くのを待って、職員室に行った。
「…何でしょうか。」
祐チャンが茶封筒を差し出してきた。
「今から進路調べするから、一応M県の私立調べておいた。」
あ、そういえば調べてくれるって言ってたっけ。
「ありがとうございます。」
「…なぁ。」
「し、失礼します。」
祐チャンが言おうとしたのは、多分別れの事だと思う。
未練とか後悔はあるけど、別れに関して私はもう何も言えない。
「舞チャン遅いね。」
「だね…。」
祐チャンと大木先生の席が隣だとしても、盗み聞きできなかった。
「今終わったっぽいよ。」
急ぎ足で舞チャンが出てきた。
「ごめん。蒼空が具合悪いみたいだから、帰らなきゃいけなくなった。」
「えっ。大丈夫なの?」
多少の熱とかなら保育園で様子見ててくれるはずだけど、迎え行かないといけないってことは、相当酷いのかな…。
「詳しくは分かんないから、陽クンと病院行ってくる。」
「気を付けてね。」
「うん。ありがと♪」
ということは、祐チャンが来るのか。
気まずいな…。
…………