先生とわたし
「好きなの頼んでいいよ。」
メニューを見ると、どれも美味しそうなものばかり。
「じゃあ、あさりのスープパスタにします。」
「OK。お願いします。」
「はい。」
「はまぐりのスープパスタとあさりのスープパスタに、ランチセット2つ。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
何だか緊張する…。
「無理に答えなくてもいいけど、祐輔と何かあった?」
美咲サンには、隠せないな…。
「私の我が儘で、一方的に別れました。」
そう言うと美咲サンは、やっぱり…。みたいな表情をした。
「祐輔ね、凄い泣いてた。千華チャンはどう考えているのか分からないけど、祐輔はもう千華チャン無しではムリなんだよ。」
祐チャン…。
「心配でちょくちょく様子見に行ってたけど、食事も私が作ったものより、千華チャンが作ったものの方がよく食べてた。この前の雑炊だってそう。」
美咲サンにも、迷惑かけちゃってたんだ…。
「…本当はもっとちゃんとした理由があるんです。」
もう本当の事、言うしかない。
「うん。でもここでは何だから、会社に戻ってからでもいい?」
「はい。」
「ほら食べよ。いただきます♪」
「いただきます。」
本当は美味しいはずのパスタが、美味しく感じられない。
全ては矢島先生のせい。
雅也サンにも迷惑かけたと思う。