先生とわたし
「祐輔と付き合い直したら、これ使って。」
そう言って美咲サンは、小さい紙を渡してきた。
「これ何ですか?」
何かの割引券みたいだけど…。
「あれ、祐輔から聞いてなかったの?この会社はホテル経営をしているの。だから、その割引券だよ♪」
ホテルってまさか…。
「もちろん、普通のビジネスホテルも経営してるから。」
雅也サンが、私の心の声に答えてくれた。
「で、ですよね…。」
どちらにせよ、美咲サンらしい会社を創ったってことか。
「でもその割引券は、ラブホ専用もの(笑)」
だから、祐チャンと付き合い直したらって言ってたのか。
「友達とかにも配っていいからね☆」
「はぁ…。」
まだ18歳になってないんだけど、いいのかな…。
「家まで送るから、そろそろ帰ろっか。」
「あ、はい。」
そういや、美咲サン仕事中だったんだ。
忘れてた。
美咲サンが運転する車に乗るの初めてだから、何だか緊張する…。
………
……
…
「じゃ、気を付けてね。」
「はい。ありがとうございました♪」
祐チャンの時と同じように、T字路で降ろしてもらった。
春休み中は自主練だけでちゃんとした部活はないから、課題をやらないと。
………
……
…