先生とわたし
「席に着け~」
テスト勉強するの忘れてた。
でも国語だから大丈夫だと思う。
本鈴と共に解き始めた。
……このテスト作ったの、石黒先生じゃない。
問題が難しすぎる。
もう少しで担当の先生が回って来るだろうから、誰だか確認しなきゃ。
………
……
…
ガラッ。
ドアが開いた瞬間、クラス内の空気が変わった。
…嫌な予感がする。
顔を上げると、教卓の所に須崎先生が立っていた。
マジか…。
………
……
…
「そこまで。後ろから回収して。」
何とか解けたけど、自信がなくなった。
「今年の国語って、須崎先生なの!?」
「かもね…。」
「でも国語って、古文と漢文でも分かれるから、どれか1つは石黒先生が持ってくれるんじゃないかな?」
是非そうであって欲しい…。
「次、石黒先生みたいだよ。」
舞チャンが言うから、入り口を見た。
「良かったじゃん。」
石黒先生は他の生徒に見向きもせず、教卓に荷物を置いてこっちに来た。
「おはよ♪」
「「おはようございます♪」」
去年と変わらずに話し掛けてきた。
「ね、国語のどれか1つ、須崎先生が持つの?」
琴音が身を乗り出して、石黒先生に問い詰めた。
「あぁ。頑張れよ。」
「先生はどれか持ってくれるの?」
「どうでしょ~。ほら席に戻れ。」
持つか持たないかくらい、教えてくれてもいいじゃん。
数学は、ほぼノー勉だから解けなくて当たり前。
嫌いな教科の1つだし、このテストはあまり成績に入らない。
………
……
「そこまで。後ろから回収して。」
一応全部埋めたけど、点数は低いと思う。