先生とわたし





*



「ゆ、祐チャン!!千華が倒れた!!」



柏倉が凄い勢いで職員室に入ってきた。




「マジかよっ。」



何で集会も始まってないのに、倒れるんだ?






体育館の一角に人だかりが出来ていた。




「ほらどけ!!お前らは大人しく座って待ってろ。」




周りの奴らを退かし、千華のもとへ行った。




「古河先生…。」




千華の傍に榎本が居て、心配そうに俺を見てきた。




「大丈夫だ。保健室連れて行ってくるから。」




「ちゃんと傍に居てあげなよ。」




「あぁ。」




柏倉からそう言われ、千華を抱きかかえて体育館を出た。




何で倒れるんだよ…。



千華…。





「失礼します。」




「あらあら。ま、ベッドに寝かせて。で、カーテンの外に出てて。」




保健の先生は、てきぱきと処置を施していた。



お義母さんに電話しないとな…。





「古河先生、どうぞ。」



カーテンの中から呼ばれた。



中に入ると、制服を緩められて寝ている千華が居た。





「多分貧血でしょう。これで授業終わりですよね?」



「はい。家族に電話してきます。」




「ううん。家族よりも古河先生、貴方が傍に居てあげなさい。」




「えっ、でも…。」



俺なんかよりも、お義母さんか明花チャンから迎えに来て貰った方がいいと思うんだが…。




「…祐、チャン。」




寝言で俺を呼んでる。




「ね。私はあと口出ししないから、どうぞ。」




「すいません。ありがとうございます。」





傍に座って、千華の手を握った。




一体、何があったんだ?



倒れた状況すら、教えてくれなかったし…。




目を覚ましたら、家に送ろう。




一人で帰すのは危険だ。






………




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