先生とわたし
*
あれからの記憶はないけど、倒れたらしい。
本人に確認するのが一番いいと思うけど、本当の事を知るのが怖くて聞けない。
祐チャンも、理由とか聞いて来ないし…。
「出来た。千華起きれる?」
「うん。」
テーブルの上には、私が使っていた食器があった。
取って置いてくれてたんだ…。
「どーぞ。」
「ありがと♪いただきます。」
煮込みうどんを作ってくれた。
料理ができるようになったんだから、もう私は必要ないね。
……
「ね、祐チャン?」
「うん?」
「今日、機嫌悪かった?」
私にとってはどうでもいい話だけど、原因があるかもしれない。
「あぁ。バレてたか(笑)」
バレるも何も、あからさま過ぎるんだもん。
「…その原因って、私?」
「いや。矢島先生がな…。」
やっぱり、矢島先生か。
「俺、付き合う気ないのにしつこくて…。」
しつこくて、一緒にホテルに行っちゃったの?
「…それなのにホテルに行ったの?」
ただヤリたいだけじゃん。
「は?何言ってんだ?」
何でとぼけるの?
「ホテルから出てくるの見た人居るんだよ。」
「あ~。それ、姉貴と一緒に行った時だ。」
「え、美咲サンに手出したの!?」
あり得ない…。
「出してない。てか、一緒に寝てすらない。」
「じゃあ何で?」
「ライバル企業の偵察に付き合わされただけ。義兄サンは顔が割れてるから、行けないんだってさ。」
そんな理由があったなんて…。
疑った私がバカじゃん。
「…ごめん。何も知らないのに疑ったりして。」
「いや。疑われることした俺が悪いから。ほら、お風呂入っておいで。」
「うん。ごちそうさまでした。美味しかったよ☆」
矢島先生とじゃなくて、ほんと良かった。
………
……
…