先生とわたし
事実
あらゆる部活が新入部員の募集をしてるけど、サッカー部はそんな話すら出ない。
まぁ、募集しなくても自然と集まって来るんだけどね。
「マネージャー入ると思う?」
部室で片付けをしていると、琴音が不意に聞いてきた。
「どうだろうね…。男目当てでくる子居るかもよ(笑)」
こんだけ男が集まってるから、あり得なくはないでしょ。
「それでもちゃんと仕事してくれれば、全然いいよ。まっ、智クンと祐チャン狙いだったら認めないけど(笑)」
それだったら、祐チャンと石黒先生も認めないと思う。
「さて、練習場に戻りますか。」
「だね。」
給水の補給をして、練習場へ戻って見ると、何人かの新入生が見学と体験に来ていた。
「もしかして、あの子たちって…。」
「智クンに聞けば分かるかも。」
「うん。」
祐チャンはいつもどおり真剣に、記録を書いてるから話しかけづらい。
「ね、あの子たちって何?」
「やっと戻って来たか。なんかな、マネージャー希望なんだってよ。俺らが説明するより、琴音と千華チャンが教えてやった方がいいだろ。」
「面倒くさい…。」
「そんなこと言わずに。頼むな。」
「「はーい…。」」
声掛けたくないな…。