先生とわたし
プチ旅行
………
「気を付けて行ってらっしゃい。祐輔クンお願いね。」
「はい。「行ってきます!!」」
GWの中盤。
だから、5月3日。
オープンキャンパスも兼ねて、プチ旅行に出発した。
「電車って、何分だっけ?」
「んとね、35分のだって。」
向こうに行くと駐車場が面倒くさいとかで、駅からは電車で移動することになった。
「ならまだ余裕だな。」
大学の最寄駅まで1時間以上かかる。
その前に、旅館に荷物を置いて行くって言うから、少し早めに出てきた。
近くのコンビニで飲み物を買って、駅へ向かった。
「着いた。車停めてから行くから、先に切符買ってて。」
「うん♪」
降りる時に、祐チャンが2000円を渡して来た。
山越えをしないといけないからなのか、運賃が普通よりも高く設定されている。
「お待たせ。ホームで待ってよっか。」
「うん。5両目に乗ってるらしいよ。」
琴音たちの方が、私たちよりも先に乗車してくる。
「分かった。てか、もう見えてる(笑)」
「ホントだ(笑)」
線路の向こう側から、黄色いライトが近づいて来る。
「「おはよー♪」」
「「おはよー♪」」
琴音と石黒先生は、窓際の席に座ってた。
「千華、荷物。」
「あ、はい。」
着替えとかが入ったボストンバッグを、荷棚に上げて貰った。
「あまり混んでないみたいで、良かったね♪」
「だな。あ、そうだ。今日と明日は、先生って呼ぶの禁止な。」
「「うん♪」」
旅行だからかな?
それとも、先生として見るなってこと?
まっ、智クン、祐チャンって呼んでればいいだけだけどね。
「ね、泊まる所ってどんな所なの?」
私も疑問に思ってた。
「温泉地にある旅館にした。」
「2人も気に入ると思う。」
旅館は祐チャンと智クンが探してくれた。
「楽しみだね♪」
「うん♪」
ワクワクしながら話してたら、眠くなってきた。
寝てもいいかな?
てか、電車の揺れが眠りを誘って来る。
………